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2012年02月24日

【声明】「3・11」から1年――脱原発は脱「おまかせ民主主義」から。再稼働を止め全停止後、一日も早く全廃炉=脱原発を実現します

2012.2.21 みどりの未来運営委員会


1.はじめに

 「3・11」の東電福島第一原発事故から1年がたとうとしています。みどりの未来は、原発のない社会に向け、渾身の努力を傾けることを改めて表明します。
 脱原発への支持が7割を超える世論をあざ笑うかのように、永田町と霞ヶ関では事故への反省もなく、非人道的というべき所業が横行しています。福島第一原発の「冷温停止状態による収束宣言」なる詐欺的な演出。放射線管理区域の4倍にあたる年20ミリシーベルトを、子どもたちを含む避難基準とする被曝の強要。事故収束さえ出来ない中で大多数の賛成で批准された原発輸出のための原子力協定。重要な政府会議の議事録さえ残さない恐るべき隠ぺい行政。そして、原発再稼働への姑息な動き。まさしく暴挙と言わざるを得ません。
 そして対極で、福島第1原発事故による放射能被害はますます拡大し、深刻さを増しています。住民の健康被害のケアや、避難基準の抜本的見直し(年1ミリシーベルトへ)、早期の完全な賠償を含む「避難の権利」の確立は急務です。また、「関連死」と呼ばれる過酷な避難による死亡者を出さない避難政策の充実も不可欠です。内部被ばくにどう向き合うのかも問われています。
 事故を引き起こした「原子力ムラ」が温存され、政治と行政を未だに牛耳っています。いのちより利権を優先するこうした仕組みを抜本的に転換させなければいけません。


2.危険な再稼働を止めるために全力を尽くします

 現在、政府は経産省や原子力・安全保安院の主導のもとに、原発の再稼働に向けた動きを加速させています。おざなりの安全対策と利益相反委員が牛耳るストレステスト意見聴取会や原発推進機関に過ぎないIAEAのお墨付きを演出して、4月にも大飯原発3、4号機の再稼働を目論んでいます。従来の耐震・安全指針は無効となり、福島第1原発事故の実態も未解明、原発の安全を保証するものが何もない以上、再稼働はあり得ません。
 再稼働ストップに向け、@ストレステスト意見聴取会の厳しい監視と、利益相反委員の解任 A原子力安全委員会がチェック権限を持たないことの暴露と、利益相反の班目委員長らの解任 B国会事故調の報告書が反映されるまでは再稼働などあり得ないことの国会議員による明確化 C「地元了解」の範囲を、福島事故を経て少なくとも原発から80キロ圏内まで拡大し、自治体と住民の了解を義務付けることを主張します。
 みどりの未来は、昨年の「6・11脱原発アクション」や、経産省を囲む「人間の鎖」アクションなどに積極的に参加、その後も、ストレステスト意見聴取会の傍聴要求行動にも取り組むなど、再稼働阻止にむけ市民やNGOと共に行動を展開してきました。危険な再稼働をストップし、4月末には全原発停止を実現させるために全力を注ぎます。
 20万人以上の市民のデモ、国会や再稼働予定地を取り囲む人間の鎖など、私たちがつながり、創意に満ちた行動を示すことが必要です。
 4月末の全停止後、夏に策定される政府の「エネルギー基本計画」に原発即時廃止を明確に盛り込むことを求めます。原発の運転を「原則40年」「例外60年」などとし、原発が今後20年も30年も稼動し続けることは絶対にあってはなりません。老朽・被災・危険な原発(マーク1型など)については即刻廃炉の手続きに入り、核燃料サイクル計画(六ヶ所村再処理施設や「もんじゅ」など)やプルサーマル計画は廃止を決定させましょう。

3.全停止後に1年間の熟議を行い、「国民投票」を経て、原発ゼロに向かいます

 ドイツでは福島事故を受けてメルケル首相が「倫理委員会」を設置し、テレビ公開された議論を経て、脱原発の方針が確定しました。イタリアでは国民投票による圧倒的多数の支持によって脱原発が決定しました。しかし、事故を起こした当事国の日本では、脱原発という多数の民意は事実上無視されています。私たちは、利権を共有する一握りの人々からなる「原子力ムラ」から、いのちと暮らしを守る決定権を取り戻さなければいけません。
 政府が今夏に原発即時廃止の政治決断をできない場合は、全原発を停止したまま、政府および国会は決定権を市民にゆだねるべきです。
 大阪市、東京都などエネルギーの大量消費地で原発の住民投票に向けた直接請求が行われ、今後、静岡、新潟など原発立地県でも行われます。住民投票に向けた動きを、「国民投票」に結実させていくことが重要です。
 国会に「脱原発に向けた熟議委員会」(仮)を設置し、脱原発派が少なくとも半数を占める多様な分野の有識者や、原発立地住民、NGOなどを委員に登用させます。1年間をかけて、公開の委員会や地方公聴会、国際会議、市民参加のラウンドテーブルなど様々なレベルでの徹底した議論を保証します。そのうえで、「熟議委員会」は脱原発のプログラムと「国民投票」にかける選択肢を決定します。その際の選択肢は、「即時廃止か否か」というような形が望ましいでしょう。もちろん、みどりの未来(「緑の党」)は原発即時廃止を主張します。公正かつ透明で自由な熟議を踏まえて、開かれた「国民投票」によって、原発の根っこを立ち切り、脱原発と再生可能エネルギーへの転換を決定的にすべきです。

4.「緑の党」の登場を!グローバルな脱原発の実現へ

 最後に私たちは、こうした日本における脱原発の達成において、「緑の党」の結成と国政への登場こそが重要な役割を果たすだろうことを強調したいと思います。「原子力ムラ」にからめとられた既成政党への不信は極限に達しつつあります。「緑の党」は、選択肢を奪われつつある多くの人々に、あきらめではなく希望を提示することが出来るでしょう。「おまかせ民主主義」から脱却して、市民こそが参加するまったく新しい政党が日本社会に必要です。
 私たちは「緑の党」を登場させることを通して、アジア太平洋グリーンズ、そしてグローバルグリーンズの仲間たちと連帯して、日本のみならずグローバルな脱原発の実現に向けても歩みを進めていきたいと思います。


*文言微修正しました。2012.3.5


posted by みどりの未来 at 03:22 | 政策・論評
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