2011年9月5日 みどりの未来運営委員会
去る8月26日、再生可能エネルギー買取法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)が成立しました。私たち「みどりの未来」は、「2020年まで供給ベースで再生可能エネルギー20%」と、そのための「固定価格買取制度の実現」を基本政策の中で訴えており、再生可能エネルギー拡大への第一歩を踏み出すものとして、この法律の成立を評価します。
特に、国会審議を通して当初の政府案は修正され、太陽光以外は「一律」とされた買取価格が「電源種・規模ごとによる設定」となり、それぞれの特性に応じた適切なエネルギーの選択や促進が可能になりました。また、国会の同意人事を必要とする「調達価格等算定委員会」の設置や他省庁の関与が定められるなど、一定の前進も見られました。
しかし、重要な課題については多くが政省令に委ねられており、この法律の理念を実現するためには、重要な課題が残されたままとなっています。
まず、政府は、根本的に見直されるべきエネルギー基本計画に、脱原発の目標と合わせて、再生可能エネルギーの導入目標を明記し、目指すべき社会像を明確にするべきです。
また、この法律で規定された送電網への接続についてのあいまいな例外規定を見直し、優先接続・優先給電を明記すべきです。「調達価格等算定委員会」には独立性をもった適正な委員の人選が求められます。そして、適切な買取価格および期間の設定については、欧州などの先行例や経験に学び、充分なインセンティブが働くことによって供給が拡大する仕組みをめざすべきです。
発電・送電・配電事業の独占構造の解消、スマートグリッドの導入、関連法制度の整備も必要です。
東日本大震災および福島原発事故後の日本社会を持続可能なものに大きく転換していくためには、再生可能エネルギーの拡大が必要不可欠です。私たちみどりの未来も、持続可能な社会へ向けて踏み出された一歩をさらに大きく進めるため、理念を共有するNGOや市民とともに、さらに努力を重ねていくことを明らかにします。