7月10日は歴史的な日となりました。
一人当たりの温室効果ガス排出量が最も大きい国の一つであるオーストラリア、そのオーストラリアの首相が温暖化対策の要となる「気候変動防止アクションパッケージ」と「炭素排出価格制度」(いわゆる炭素税)の導入を提案したのです。
このけん引役となったのが「オーストラリア緑の党」です。
オーストラリア緑の党は、2010年の連邦選挙において国会議員を4人から10人へと増やしました。
結果、連邦議会内でキャスティングボードを握る勢力となっています。
下記は、オーストラリア緑の党クリスティーン・ミルン上院議員から世界のグリーンズ(みどりの仲間)に向けて発信されたメッセージです。
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オーストラリアでの炭素排出価格 - 再生可能エネルギーへの大幅な投資
みどりの皆様、
オーストラリアの炭素排出価格と気候変動防止アクションパッケージが昨日発表され、それまでに私たちオーストラリア緑の党が果たしてきた役割を皆様にご報告できることを、たいへんうれしく思います。緑の党が労働党と交渉を重ねた合意事項は、オーストラリアがクリーンエネルギーを中心
とした経済へ、ついに第一歩を踏み出したことを意味しています。
気候変動防止アクションパッケージでは炭素の排出価格を(炭素)トンあたり23ドルに設定しただけではありません。
重点をいくつかご紹介すると-----
- オーストラリアの2050年排出削減目標を(60%削減から)80%へ引き上げる
- 100億ドルを再生可能エネルギーに投資し、独立再生可能エネルギー局は
それを管理するだけでなく、将来の100%再生可能エネルギー化に向けた
計画策定を始める
- オーストラリア国内では汚染物質排出の著しい石炭火力発電所から順次
閉鎖し、また運転が不経済となるので石炭火力発電所の新規建設は実質的に
防止される
- 排出量が多い産業への補償は自己審査ではなく厳格な独立した審査を要件とする
- 海外からの炭素オフセット購入を制限する
- 独立した専門家で構成される気候変動審議会を設立し、炭素排出価格が変動制
に移行するときの目標値と上限値(キャップ)を答申する
- 自主的排出量削減を組み込む
- 17億ドルの投資を生物多様性と農業支援に割り当てる
緑の党単独で構想したものなら当初からさらに徹底したものとなったはずですが、この気候変動防止アクションパッケージで将来に向けた確実な基礎を作ることができたのです。
連邦政府の選挙では労働党も保守連合も気候変動アクションは主要な争点ではありませんでしたが、緑の党では重要政策に位置づけました。私たちが提唱して与野党連立の気候変動委員会を設立し、そこで炭素排出価格の立案を条件に少数政権であるジュリア・ギラード首相を支持することにしていました。
真剣で粘り強い6か月間の交渉を通じて、緑の党は真に革新的なパッケージをオーストラリアの人々に、経済に、そして地球環境のために完成させました。
詳しい報告書はウェブサイト
またパッケージの全文やその他の発表あるいはニュースはこちら<http://christine-milne.greensmps.org.au/content/carbon-price-agreement-historic-first-step-towards-clean-energy-economy>(英語)です。
オーストラリアでの新しい発表がダーバンでの国際気候変動会議で大きな推進力となることを期待しています。
クリスティーン・ミルン
上院議員・オーストラリア緑の党、副党首
<写真>左から
クリスティーン・ミルン上院議員(オーストラリア緑の党 副党首)、
ボブ・ブラウン上院議員(オーストラリア緑の党 党首)、
ジュリア・ギラードオーストラリア首相(労働党党首)