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2011年07月06日

【報告】ドイツ緑の党元環境大臣ユルゲン・トリティーン議員来日

 
宮部 彰(みどりの未来・副運営委員長)

 ドイツ緑の党の元環境大臣ユルゲン・トリティーンさん(現連邦議会会派代表)が来日。みどりの未来も会食やレセプションにお招きいただきました。

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6月17日 ドイツ大使館レセプションにて
(左から)すぐろ奈緒/共同代表・杉並区議、トリティーンさん、足立力也/運営委員国際担当

 6月16日には帝国ホテルのレストランで会食。トリティーンさんと緑の党のスタッフが2名、マスコミのシュピーゲル紙の記者が1名、南ドイツ新聞の記者とカメラマン(女性)、そしてドイツ大使館の人。以上7名。
 こちらは運営委員長の漢人さんと私でした。


@3月11日は悲惨なことばかりでなく、いい日でもある

自己紹介の時に、「私の誕生日は3月11日です」と言ったら、一同「オー!」という声。即座にトリティーンさんは、「3月11日は悲惨な日でもあるが、いい日でもあるんですね」と。

なかなか話しのうまい人だな、まず関心しました(笑)。


A日本には脱(反)原発の運動はなかった?

「今週末に大きなデモがあると聞いているが」との質問。

「いえ、先週末にありました。私が最初に呼びかけました。ドイツの25万人を超えるのが目標でしたが、全国で7万人ぐらいでした」と答えたら。

「ドイツは30年の脱原発運動の歴史があるからね」と。
(「日本にも1980年ごろから反原発運動はあったよ」と心の中で独り言。ジルビアさんも「日本にはデモがないと聞いている」という趣旨の発言がありましたが、遠いドイツから見ると、そうなんでしょうね・・・・)


B自然エネルギー促進法は成立する?

「菅首相は自然エネルギー促進法に熱心ならしいが、どうなりそうか」という質問。

「難しいのではないか。8月には首相を辞任することになりそうだから」と返答。

南ドイツ新聞の記者から、「なぜ、8月に辞めるのか」と聞かれ返答に詰まってしまいました。どう説明すれば理解してもらえるか、難しいですよね。日本の政治と政局は、海外からは理解しづらいのだろうな、と思いました。


B原発周辺の自治体の動きは?

トリティーンさんから、「原発周辺の自治体の反応はどうか」と質問。

「原発のある自治体は補助金があるので、原発維持ですが、周辺自治体はディメリットだけでメリットがないので脱原発決議をあげる自治体も出てきている」と返答。

「ドイツと同じだ」(トリティーン)

ジルビアさんも、原発のある自治体は原発推進だが、そのうえの自治体レベルで説得して「自然エネルギー促進政策」をやってうまくいく事例がドイツにはたくさんある、と言っていましたね。


Cメルケルの脱原発方針に対する評価

「メルケル首相は脱原発方針を打ち出したが、その評価は?」(宮部)
(緑の党では議論になっていると聞いていたので)

「評価している」(トリティーン)

ドイツ緑の党は「2017年までに脱原発を実現できる」と主張していたので「2022年までに脱原発」というメルケルの方針に対して議論があったようですが、その後「2022年脱原発」への支持を表明しています。トリティーンさんは「支持派」だったわけです。


Dみどりの未来は?

シュピーゲル紙の記者から「みどりの未来の党員は何人か」「3.11以後増えているか」と質問。

「現在は400数十名程度」「増えているが、増え方は少ない」と返答。
(フランスの緑の党の欧州議会議員のリヴァジさんは、「2年間ぐらいで15000人から25000人に増えた」と聞いていたもので・・・・・・)

しかし、「2013年には参院選挙があるが、確実に議席を獲得するでしょう」と公言。
(これ、国際公約になるんでしょうか・・・・。頑張らなければ!)


E日本は脱原発に向かうか

どのように質問されれたのか記憶が曖昧ですが、たぶん「3.11は日本の社会にどのような変化をもたらすか、あるいはもたらさないか」という趣旨の質問だったような気がしますが、「日本での脱原発への変化は不可逆的だと思う」と答えました。

これは私の政治的直観で、希望的観測も含まれていますが。


以上、まだ、もう少しやりとりがあったと思うのですが、記憶に残っているものだけを紹介しました。

最後に、「みどりの未来の発展を祈る」といわれて、プレゼントとして「ベートーベン」のCDを。
かえって聞いてみたら、ベートーベンではなく、なぜかハイドン!?(漢人さんのはベートーベンだったようですが・・・・)

フランスのリヴァジさんも約束の時間に遅れましたが、トリティーンさんも15分ぐらいの遅れでした。
時間にルーズなのは、スローライフだから?
さすが「緑の党」!!!(笑)

ともかく、ヨーロッパの緑の党が日本の「みどり」に強い関心と期待を持っていることを、ひしひしと感じました。

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ユルゲン・トリティーン
Jürgen TRITTIN
同盟90/緑の党連邦議会会派会長

生年月日:1954年7月25日ブレーメン生
経済社会学修士、ジャーナリスト

1982年−1984年 オルタナティヴグリーンイニシアティブリスト(AGIL)
ゲッティンゲン市議会会派事務局長
1984年−1985年 ニーダーザクセン州議会緑の党議員団スポークスマン
1985年−1990年 および1994年−1995年
ニーダーザクセン州議会議員
その間州議会緑の党議員団長を務める
1990年−1994年 ニーダーザクセン州連邦・欧州問題担当相
連邦参議院議員
1994年−1998年 同盟90/緑の党連邦本部代表
1998年−2005年 連邦環境・自然保護・原子力安全大臣
2005年−2009年 同盟90/緑の党会派副会長、外交安全保障・欧州政策担当
2009年〜現在 同盟90/緑の党連邦議会会派会長




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