報告:松本なみほ、(みどりの未来共同代表)
3月31日、スウェーデン緑の党ストックホルム市のスカルプネック区議会議員(※1)
Harald Enoksson(ハラルド・エノクソン)さんが尼崎市を訪れました。
みどりの未来の現状や取組について情報や意見を交換をしたり、尼崎市議会の見学や、
丸尾 牧さん(兵庫県議)、たかはま黄太さん(尼崎市議)らと交流しました。
(※1)スウェーデンの国と自治体の関係は日本と同じではありませんが、わかりやすく
するために区議会議員と表現しています。
丸尾 牧さん(兵庫県議会議員/みどりの未来会員/エコフェア賛同議員)とハラルドさん(丸尾事務所にて)
たかはま黄太さん(尼崎市議会議員/みどりの未来会員/エコフェア賛同議員)とハラルドさん(JR立花駅付近)
■ハラルドさんプロフィール
現在30歳。スウェーデンの大学でコンピューター科学・経済・経済史・政策科学・統計学、
日本語、中国語を学んだ後、中国の福建省や台湾で開発経済関係の研究補助、調理師、
バーテンダーなど様々な仕事に着き、昨年(2010年)のスカルプネック区議会選挙で当選。
現在はゲーム翻訳会社役員をしながら議員活動。
■これぞグリーンズ! 飛行機を使わない旅
今回の旅は、中国でゲーム翻訳会社の仕事をし、日本の家族と過ごすという目的で、
昨年末から計画。旅のスタイルもグリーンズ的で、飛行機を使わないことに徹し、
スウェーデンからシベリア鉄道で中国入りし、中国からは船で大阪港に到着。
岐路も同じく神戸から中国まで船で渡り、シベリア鉄道を利用して9日ほどかかって
帰国する。3月中旬から来日してご家族が住む山梨県に滞在し、3月31日は日本で
過ごす最後の日とのことでした。
■スウェーデンの総選挙はまさに総選挙!
「この4月の選挙でみどりの未来はどのぐらい伸びそう?」とハラルドさん。
「みどりの未来は2013年の国政選挙で議席獲得をして政党となることを目標としてるので、
今回の統一地方選挙でのエコ・フェア宣言プロジェクトでみどりの仲間を増やしたい・・・」
と答えたところ。
「えっ?日本って、自治体議員と国会議員の選挙は別々なの?」と、ア然。
そう、スウェーデンは4年に一度の10月に自治体議員も国会議員もみんな同じ日、
まさに「総」選挙が行われるのです。
「総選挙の時期、有権者には政党パンフレットがどっと送られてくるし、
選挙の種類が多いと選挙事務が複雑になるので、選挙を分散したほうがよいという
意見もあるにはあるが、少数派。おそらくこのままだろう」とのこと。
同じ日にすることによって約80%の高い投票率になるというメリットがあり、
個人を選ぶ傾向が高い自治体選挙の日本とちがって、政党政治が行きわたっている
ため、選びやすいのだと思いました。
↑尼崎市議会本会議場にて、尼崎市議になりきり中
■地産地消が人権侵害につながる!? EU内での皮肉な事情
TPPのことを話していたら、地産地消、フードマイレージの話題になりました。
ハラルドさん曰く「フードマイレージのことを考えたら、スウェーデンは、
アフリカから食べ物を輸入するよりも、EU域内の国から輸入したほうがよいのだが、
そう簡単でもない事情がEUにはある。
というのは、イタリアは地理的に近いが、農民が不法移民を雇い、劣悪な
状況で作物の収穫作業させる場合がある。不法移民は不当な労働を強いられても
強制送還を恐れて雇い主の農民を訴えることができない。
一方、アフリカは地理的に遠いのでフードマイレージは高くなるが、
不法移民への不当な労働強要といった問題は発生していない。
環境に配慮すれば人権が侵害され、人権に配慮すれば温暖化が進んでしまう。
というジレンマがある。」とのこと。
複雑な事情を把握して、政策を考えなければならないことを痛感しました。
■スウェーデンの「保守」は何を訴えている?
私(松本)にとってのスウェーデンは国民の大半がリベラリストなイメージ。
ということで、「保守」は何を訴えているのか?をたずねてみました。
ハラルドさんの答えはたったひとこと…「減税」
なるほど、そうなるんですね、納得。
■2011年3月11日は歴史のターニングポイント。これからの世界を牽引するのは「みどり」
今回の東日本大震災・原発震災によって世界の原発安全神話は溶解し、
世界に影響が拡散しています。
「この原発震災を予防できなかったことが悔やまれてならない」と言う私に
ハラルドさんも深く静かにうなずいていました。
もうこの言葉を言わなくてもすむように、浜岡、柏崎、そして日本中の
世界中の原子炉を止めつつ、
スローライフを体現する省エネ社会、再生可能エネルギーへのエネルギーシフト社会
の実現を目指していきます。