世界にある。日本にない。ないならつくろう、日本にも「緑の党」

エコでピース名地球の未来を政治でめざす。

2010年06月30日

【政策】「2030みどりのアジェンダ」と参院選各党マニフェストの比較

〜12テーマ33の政策で、各党マニフェスト・政策集をチェック〜
 
●比較にあたって
みどりの未来運営委員会

 民主党のマニフェストは、昨年のマニフェストと比べて、「数値目標」「財源」「実施時期」などの具体的記載が全くなくなっている。これではマニフェストと言えない。自民党の「マニフェスト」は、従来型の公約のバラマキ的な羅列で、「数値目標」「財源」「実施時期」はない。
 これでは政権公約としての責任あるマニフェストとは言えないので、本当の意味での比較と評価ができない。しかし記載されているかどうかで、政策の方向性は見ることができる。
 民主党や自民党だけでなく、他の政党も含めて「経済成長率を争う」マニフェストとなっている。右肩上がりの経済成長が実現できることを前提としたマニフェストだから、あらゆる問題が解決されるというイメージになっている。国際競争力で勝てる保証がないばかりか、「環境制約」について意識されているとは思われない。これでは、「経済成長よ再び」という昔ながらの公約である。
 消費税増税が争点となっているが、「高負担高福祉なのか否か」「大きな政府か小さな政府か」「自己責任か社会的責任か」「成長か脱成長か」「社会保障は世帯単位か個人単位か」などの社会ビジョンの基本的考え方についての争点になっていない。消費税も含めた増税が、どのような社会をめざすために実施されようとしているのか否かが、本当は問われているのではないだろうか。


*「2030みどりのアジェンダ」 → http://site.greens.gr.jp/article/38890145.html


●各党政策集との比較一覧 → http://greens.gr.jp/pdf/hikaku.pdf
井奥雅樹(みどりの未来運営委員・マニフェスト比較担当)


●民主党・自民党マニフェストとの比較一覧
宮部 彰(みどりの未来運営委員・マニフェスト比較担当)
PDFファイル → http://greens.gr.jp/pdf/hikaku2.pdf

【1】脱原発の地球温暖化対策

@2020年までに、再生可能エネルギー20%アップ
■民主党

記載されていない。昨年のマニフェストには「1次エネルギーの総供給量に占める再生可能エネルギーを2020年に10%程度の水準まで引き上げる」と記載さている。
民主党政権で提案されている「地球温暖化対策基本法案」では、「再生可能エネルギー」ではなく「新エネルギー」という言葉が使われ、水増しの抜け穴になる可能性がある。
■自民党
「2020年までに最終エネルギー消費量の20%を再生可能エネルギー」としているが、消費ベースなので不十分。

A温室効果ガスは原発に頼らず30%マイナス
■民主党

「地球温暖化対策基本法案」では、「2020年に25%削減」が明記されているが、国際的な前提条件がつけられている。原発については、マニフェストで、「強い経済」のインフラ輸出の部分に、原発輸出の促進が明記されている。
■自民党
「2020年までに05年比で15%削減(国内排出分)」と低い数値目標のまま。
原発については、「地球温暖化ガスを発生させない原子力発電所の活用は不可欠であり、原発政策を協力に推進」と明記。

【2】ケア・フード・マネーは地産地消

B地域循環型の第6次産業ビジネス支援
■民主党

「農林漁業の6次産業化により・・・農林漁業と農山漁村の再生」と明記。しかし、EPA・FTAによる自由化促進なので、矛盾があり根本的な対策となっていない。
■自民党
全体として地域循環型経済で地域経済再生ではなく、外需依存の経済政策になっている。そのためにEPA・FTAによる農業の自由化との矛盾などがあり、根本的対策となっていない。

A地域再投資法
■民主党

記載されていない。「中小企業向け金融検査マニュアルの弾力化」「地域金融円滑化法の制定」などが記載され、貸し渋りや貸し剥がし対策が打ち出されているが、地域循環の観点からの「地域再投資法」という視点は見られない。
■自民党
「地域(中小・小規模企業)購入&再投資法(仮称)の制定をめざします」「地域の預金を地域に還元するとの地域金融機関の基本的使命を踏まえ、地域への還元について一定の指標を制定します」と記載されている。しかし、数値は明確ではない。
また、「中小企業や住宅ローンを抱える個人が銀行などに対して返済猶予などを要請した時に、要請に応じた銀行に対し支援を行なう法律を定めた」と実績を謳っているが、要請に応じることの義務化ではなく奨励にとどまっている。

B共生経済で雇用促進
■民主党

医療・介護・福祉で雇用促進という方向は打ち出されているが、具体的な数値目標などは記載されていない。たとえば、介護労働の雇用促進については、「ヘルパーなどの給与の引き上げに引き続き取り組み、介護にあたる人材を確保します」と記載されているが、昨年のマニフェストには「ヘルパーなどの給与を月額4万円引き上げ(る)」と具体的数値が明記されていた。わずかに改善されたが、4万円引き上げは実現されておらず、極めて不十分。今回のマニフェストでは数値目標がなくなっている。税額控除など、「NPOの寄付税制の見直し」は進めているが法案までに至っていない。
■自民党
「介護従業者の処遇をさらに改善します」「地産地消や農商工連携を協力に推進」「地域やNPOなどが参加して農業・加工・介護など地域社会を維持する事業に取り組む地域マネジメント法人を推進します」などと明記はされている。しかし、民主党と同様に、介護報酬の改善の数値目標は明記されないなど、具体的な実施について保証がない。

【3】食は自給率アップで安心確保

@食糧自給率80%に倍増
■民主党

食糧自給率の数値目標については、記載されていない。
昨年のマニフェストでは「主要穀物等では完全自給をめざす」と書いているが、カロリーベースの自給率については触れていない。また主要穀物が何かについても明記していない。まさか米だけ?小麦や大豆は入っている?
そもそもEPAやFTAの自由化政策を打ち出しておいて、「主要穀物の完全自給」が成り立つはずがない。
■自民党
食糧自給率の数値目標については記載されていない。
「みそ、しょうゆ、とうふの材料となる大豆、めん用小麦などは日本人の食生活に欠かせない食料でありながら、その大半を輸入にたよっています」と指摘し、「産地づくり交付金の復活強化など、畑作、水田転作の療法で政策を総動員し、大豆等の増産に向けた取り組みを強化」と書いている。
しかし、数値目標なく、バラマキの補助金政策で問題がある。
EPAやFTAの自由化政策を推進しているのは、民主党と同じであり、農業自給率の向上をめざしていないことは明確である。

Aフードマイレージを3分の1に
■民主党

記載されていない。自由化促進なので、記載されるはずもない。
■自民党
記載されていない。自由化促進なので記載されるはずもない。

B遺伝子組み換え食糧は輸入・生産禁止
■民主党

記載されていない。昨年の「政策インデックス2009」には、「遺伝子組換え食品及びクローン動物由来食品については、その旨の表示等を義務付けます」とは記載されているが、禁止ではない。
■自民党
記載されていない。

【4】すべての人に生存権の保障

@月10万円のベーシックインカム導入
■民主党

記載されていない。
最低所得(生活)保障の観点からは、当面は基礎年金、生活保護の生活扶助が問題になるが、年金については「月額7万円の最低保障年金」と書かれている。受給資格者の2割しか給付されていない現状の生活保護制度の改善については記載されていない。
■自民党
記載されていない。
年金については、「受給資格要件の期間を25年から10年に短縮する」と記載されている。基礎年金や最低保障年金については触れられていない。生活保護制度についても触れられていない。

A医療・育児・教育・住まいのサービスを大胆に拡充
■民主党

マニフェスト全体から評価すると、現物サービス給付の拡充に関しては、育児について手当だけでなく託児所などの現物給付への力点の移行が見られる(その代わり子ども手当ては当初の予定額は実現できず)。住まいについては、持ち家主義からヨーロッパのような社会住宅促進への転換の視点はない。高校授業料の無償化は進んでいるが、大学教育の無料化については言及されていない。数値目標はない。
■自民党
マニフェスト全体から評価すると、手当てでもなく、現物サービス給付の拡大でもなく、雇用創出による所得の向上という方向性である。「今後10年間で雇用者所得の5割増を実現」と記載されている。

【5】雇用の分かち合いでスローライフ

@労働時間を年1300時間に短縮
■民主党

記載されていない。ワークシェアリングについても、労働時間の短縮についても具体的に全く触れられていない。キャッチコピーとして見出しとして、「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」が記載されているだけ。
■自民党
記載されていない。
民主党と同様に「ワークライフバランス」という言葉は記載されているが、ワークシェアリングと労働時間の短縮については触れられていない。

A同一価値労働・同一賃金の実現と最低賃金の引き上げ
■民主党

「同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等・均衡に」と記載されている。昨年のマニフェストでは、「同じ職場で同じ仕事をしている人は同じ賃金を得られる均等待遇を実現する」と明記されていたので、重大な後退である。これでは「同一労働同一賃金」論ではない。
ちなみに、「同じ職場」の場合は「同一労働同一賃金」論であるべきだが、職場を越える場合は「同一価値労働同一賃金」論となる。
最低賃金については、「実現したこと」として「産業界、労働界および政府は、『できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均1000円をめざすこと』で合意しました」と記載されている。しかし年10円程度の引き上げが続く現在のテンポでは、最低賃金1000円が実現するまでに20年以上はかかってしまう。
■自民党
意外にも「同一労働・同一賃金」が明記されている。ただし、「解雇規制の緩和」とセットであり、賃金抑制としての「同一労働・同一賃金」論である。
最低賃金については、記載されていない。

【6】公正な税負担で社会保障の充実

@所得税の最高税率を70%に戻す。金融・資産課税の強化
■民主党

「消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します」と記載されているが、所得税の最高税率を上げることの記載はない。金融課税・資産課税についても記載はない。逆に、法人税率の引き下げが記載されている。
政府税調は、所得税の最高税率の引き上げと相続税強化を打ち出しているが、数値が示されているわけではないので、今後の数値に関する議論を注視しなければならない。
■自民党
所得税については「最高税率や給与所得控除の上限の調整等により高所得者の税負担を引き上げる」
明記されている。ただし数値は明記されていない。
資産課税については、「格差の固定化防止・・・・の観点から、相続税の課税ベースや税率構造を見直し、負担の適正化を図ります」と記載されている。これも具体的な数値などは明記されていない。
逆に「法人税率を国際標準の20%台に思い切って減税します」と記載さている。

A環境税の導入
■民主党

「地球温暖化対策税を活用した企業の省エネ対策などを支援」と記載されている。地球温暖化対策税については、国会に提出されている地球温暖化対策法案の中で明記されているが成立していない。ただし基本法案なので、税率などの具体的な数値や制度案は提案されていない。
関連するガソリン税は、暫定税率の撤廃が昨年のマニフェストに盛り込まれていたが、基本的に現状維持で、将来は地球温暖化対策税との整合性や実効性が問われる。
■自民党
「環境税については、税制全体のグリーン化を図る観点から、様々な政策的手法全体の中での位置づけ、課税の効果、経済や産業の国際競争力に与える影響、既存の税制との関係等に考慮を払いながら、納税者の理解と協力を得つつ、総合的に検討します」と記載。
経済優先の観点から、「総合的に検討」ということは永田町用語で導入しないということか?導入したとしても極めて低額で効果のないものとなるだろう。

★争点となっている消費税について
 「みどりのアジェンダ」では、「消費税率は、給付付き税額控除の導入など逆進性をなくす措置をとって引き上げます」と記載している。逆進性の解消や、所得税・金融課税・相続税などの公平性を実現することも前提条件である。
 民主党と自民党の消費税増税論は、逆進性についてどれほどの措置がなされるか不明なこと、他の諸税の公平性の確保が不十分なこと、法人税引き下げが主張されていることなど、前提条件が確保されていない。これらの前提条件の確保なき消費税率の引き上げには反対である。

【7】シングル社会&多様な家族

@選択的夫婦別姓、専業主婦控除廃止など民放・税制改正
■民主党

記載されていない。昨年のマニフェストにも記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「選択的夫婦別姓の早期実現」と書かれていた。政権政党になっても全く進んでいない。
■自民党
「民主党の夫婦別姓法案に反対」と明記。「夫婦別姓を選択すれば、必ず子どもは両親のどちらかと違う『親子別姓』となります」というのが反対の理由。

A登録パートナーシップ法制定へ
■民主党

記載されていない。世帯単位からシングル単位への方向性は打ち出されていない。
■自民党
記載されていない。世帯単位重視でシングル単位には反対の方向性である。

【8】多文化共生のフェアな社会

@移住労働者に日本人と同等の労働条件
■民主党

記載されていない。
■自民党
記載されていない。

A定住外国人の地方参政権
■民主党

記載されていない。昨年のマニフェストにも記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「民主党は結党時の「基本政策」に「定住外国人の地方参政権などを早期に実現する」と掲げており、この方針は今後とも引き続き維持していきます」と記載。しかし、全く進んでいない。
■自民党
「外国人地方参政権導入に反対」と明記。理由は、公務員の選定罷免権は「国民固有の権利」なので、地方選挙権の付与は憲法違反、というもの。

Bアイヌ民族議席を
■民主党
記載されていない。昨年のマニフェストにも記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「アイヌ民族の人権を尊重し、権利を確立する総合的施策を進展させます」と記載されている。しかし、政治的権利として、優先的に議席を確保する考え方は見られない。
■自民党
記載はない。

【9】誰でも立候補できる選挙制度

@企業・団体献金の禁止
■民主党

記載されている。昨年のマニフェストにも記載されているが、進んでいない。
■自民党
記載されていない。

A18歳から立候補もOK
■民主党

記載されていない。昨年のマニフェストにも記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「選挙権を18歳から付与する法律を国民投票法に合わせて施行します」「成年年齢の18歳への引き下げ」と記載されている。ただし、国民投票法が施行される2010年までの法改正は進んでいない。
■自民党
記載されていない。

B供託金ゼロ。ハードルの低い比例代表100%
■民主党

供託金ゼロについては、記載されていない。
比例代表については、「衆議院の比例定数を80削減します」と記載され、小選挙区制度への純化をめざしている。
■自民党
供託金ゼロ、小選挙区制度の廃止と比例代表制の導入については、記載されていない。ちなみに、国会議員の定数を現在の722名から、6年後には500名に3割削減が提案されている。

【10】住民自治の徹底

常設型住民投票制度や参加型予算などを定めた「市民自治法」の制定
■民主党

記載されていない。昨年のマニフェストには記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「住民投票を地域の意思決定に積極的に取り入れるため、『住民投票法』を制定します」と記載されている。しかしまだ、なにも進んでいない。
■自民党
記載されていない。

【11】共に生きる北東アジア

@「日米同盟」見直し、『思いやり予算』廃止、米軍基地ゼロ
■民主党

記載されていない。「日米同盟を深化させます」と記載されている。「普天間基地異説問題に関しては、日米合意に基づいて、沖縄の負担軽減に全力を尽くします」と記載されているが、負担軽減であって、米軍基地の縮小ではない。昨年のマニフェストでは、「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくります」「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と記載されていたが、後退している。
■自民党
記載されていない。「強固な日米同盟の再構築」が掲げられている。

A北東アジア非核地帯を実現
■民主党

記載されていない。
■自民党
記載されていない。

【12】公正と連帯のグローバル社会

国際連帯税・通貨取引税で、環境対策と途上国支援、投機マネーのコントロール
■民主党
記載されていない。昨年のマニフェストにも記載されていないが、「政策インデックス2009」には、「国境を越える特定の経済活動に課税し、集まった収入を貧困撲滅・途上国支援などを行う国際機関の財源とする『国際連帯税』について検討を進めます」と記載されている。
■自民党
記載されていない。

 
posted by みどりの未来 at 03:05 | 政策・論評
Copyright (C) GREENS Japan./ みどりの未来 All Rights reserved.