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2010年03月25日

【声明】「原発に頼らない実効性ある地球温暖化対策基本法」の制定を求めます

2010年3月25日 みどりの未来・運営委員会

 3月12日、地球温暖化対策基本法案が閣議決定されました。しかし、法制化を求め期待を寄せてきた市民やNGOからは、その内容に大きな失望と反発の声があがっています。
 法案は、「経済の成長との調和」が事実上の前提条件となっています。これは自民党政権下で作られた環境基本法にも無かった規定で、温暖化対策を骨抜きにするものです。また、国内排出量取引制度の総量規制や導入時期が明確になっていないこと、全量の固定価格買取制度の導入が明記されていないことなど、民主党のマニフェストからも大幅に後退しています。「再生可能エネルギー」の定義も曖昧にして、不適切な手段を温暖化対策に含めることを可能にしている問題も無視できません。温暖化に大きな影響を及ぼす交通政策の見直し、途上国支援の財政基盤確立なども必要です。
 さらに私たちは、特に以下の2つの点について、全面的な見直しと修正を強く求めます。

1.「25%削減」を先送りする条件付けの見直しを
 法案は「2020年までの温室効果ガス(1990年比)25%削減」について、「すべての主要国の枠組み構築と目標の合意があった場合」とする条件をつけています。他国に「実効性の確保」を要求しておきながら、自分は「他の国々の約束が出揃ってからでないと実行しない」とする立場は、国際社会に対する極めて不誠実な姿勢と言わなければなりません。必要なのは「25%削減」を怠って先送りする口実ではなく、実現への明確な方針と具体的な政策です。

2.原子力発電に頼らないエネルギーシフトを
 法案は、温暖化対策として原子力発電(原発)の推進を明記しています。しかし原発は、燃料の採掘から輸送・燃焼・廃棄に至るあらゆる段階で致命的な放射能汚染や大事故を起こす可能性のある危険なエネルギーです。また、2020年までの中期目標達成に原発を活用しようとすれば、老朽化した既存原発の稼働率を上げざるを得ず、危険性をさらに増大させます。しかも、出力調整困難な原発は火力などのバックアップ電源を必要としており、原発への依存は、CO2排出を増大させる電力供給構造を固定化・拡大します。さらに、莫大な建設費用は省エネ技術開発や再生可能エネルギー推進のための資金を吸い上げ、全体としての温暖化対策をも停滞させてしまいます。原発への依存は、危険であるばかりでなく温暖化対策にとって逆効果であり、原発に頼らないエネルギーシフトが必要です。

 政府は、温暖化問題に積極的に取り組んできたNGOなどの提言を真摯に受け止め、現代社会を構成する重要な「先進国」の一員として、温暖化・気候変動の被害を強く受ける低開発諸国や低海抜の島々の人々、将来世代や生態系に対する責任を深く自覚する必要があります。そして、温暖化対策を最優先課題とする毅然とした姿勢によって、地球温暖化対策基本法案を抜本的に見直し、実効性ある対策をただちに実現するよう、私たちは強く求めます。
posted by みどりの未来 at 15:11 | 政策・論評
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