世界にある。日本にない。ないならつくろう、日本にも「緑の党」

エコでピース名地球の未来を政治でめざす。

2009年12月22日

●12/22up:【声明】STOP温暖化!世界同日アクション実行委員会が声明を発表

日本政府は生きるか死ぬかの温暖化問題に、世界の市民社会の声を聞き、原発に頼らない中期目標30%削減を掲げ、世界の合意形成に貢献せよ
●COP15は高まる危機感に応えられず−期限も守れず、究極の目標の設定にも失敗した
 COP14で初めて公式に発言された「大気中CO2濃度350ppm」「(産業革命以前からの)気温上昇1.5℃の安定化」を目指すべきとする小島嶼国連合(AOSIS)の声はCOP15で更に強くなり、海面上昇で自国が沈められようとしているツバルは涙の訴えでその実現を求めた。この主張は、閣僚級会合においても少なくない国々の公式発言として繰り返された。
 にもかかわらず、大排出国26カ国が先行して取りまとめた「コペンハーゲン協定」文書案はこれらを無視し、「2℃での気温安定化の必要性の確認」というあいまいな表現にとどまった。全体会合でこの案は受け入れられず、全く不十分な決議が上げられただけだった。
 ツバルのような国々が国自体の存続を賭けて交渉に臨んでいることを、大排出国の首脳は理解しなければならない。
 現在各国から公表されている規模の温暖化対策では、3℃上昇での安定化がせいぜいだとの条約事務局の分析も間接的に伝えられており、すべての国が提案した削減目標の上乗せをただちに行われなければ温暖化対策は失敗するということを、強く自覚すべきである。
 さらに、交渉を半年だけ延長するための会議も開催せず、法的文書の作成期限を決められなかったことは、期限を決めて妥結を目指してきたこの2年間のバリ行動計画が失敗に終わったことを意味する。今後、ずるずると先送りを続けることに歯止めはあるのか、強く懸念される。

●市民社会からはCOP15に向けて、過去に類を見ない規模のさまざまなキャンペーンが提起された
 12月12日にはデンマークでは公式発表10万人のデモがあった。また、「350.org」では10月24日の同日キャンペーンの世界182カ国・約5200箇所でのアピールや、会期中のビジル(キャンドルライトによる祈りの会)、3000以上のイベントが紹介されている。TckTckTck「公正で野心的、拘束力のある議定書を求める」"I am Ready"オンライン署名には、世界各国から1500万人が参加、Seal the Deal「コペンハーゲンで決めよう」オンライン署名も行われた。世界各地でのハンガーストライキの呼びかけもあった。
 日本でのMake The Ruleキャンペーンの12月12日アクション、そして私たちが同時に展開した「STOP温暖化!世界同日アクション」も、これらの活動の一環となれたことを誇りに思う。

●日本のマスメディアの報道では、問題の本質と市民の懸念が無視され続けた
 国内のマスメディアの報道は、COP15が単なる経済的な綱引きの交渉や「先進国と途上国」の単純な対立ではなく、多くの人々の生死を賭けた交渉であるという視点が欠落していた。
 環境NGOsの連合体気候行動ネットワーク(CAN)が選定している『本日の化石』賞には毎日、先進国のボイコットや躊躇の不名誉が記録されており、『化石』賞を取った途上国はわずか数カ国であった。日本のマスメディアが批判を集中させた中国は一回も授賞していない。明らかに、報道は不十分であり偏ったものだった。
 気候の交渉がこの先どんな進展をみせるかは、これからの各国での人々の意識醸成にかかっており、報道機関の果たすべき役割は大きい。日本のマスメディアは、その役割の重さを自覚し、先入観無しに多様性のある報道に努めるべきである。

●「原発に頼らない中期目標30%削減」の実現に向けて
 大規模な代替エネルギーが緊急に必要な温暖化対策として、原発は役に立たない。費用も高く、他の資金を吸い上げてしまい、全体としての対策を停滞させる悪影響もある。使用済み放射性廃棄物の処分場問題は解決不能で深刻な問題を先送りしているだけである。また、チェルノブイリ原発のような事故は回復困難な環境破壊をもたらし、そうした事故や汚染を制御するために、日常的に膨大なコストも発生する。
 このような側面を考慮し、京都議定書では、「先進国は原発をCDMの適用対象としては差し控える」とする最低限の良識は残っていた。
 しかし、国内での新設が困難なことから、「温暖化対策」を名目として、日本企業による途上国への原発輸出が進められようとしている。特に、京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)が適用されると、技術と資金を提供した「北」の国が、原発による汚染やリスクを南の国の人々に押し付けて、建設の対価ばかりか排出削減の利益まで二重取りするという醜い構図となってしまう。

 日本政府は、COP15における失敗を繰り返さないために、2020年の中期目標として温室効果ガス30%削減(1990年比)を掲げるべきである。そして命や環境に対する原発のリスクを直視し、原発に頼らない国内温暖化対策、途上国支援策をもって国際交渉に臨み、公正で野心的な拘束力のある目標の合意形成に貢献しなければならない。


参考:
http://twitter.com/ks91020
http://www.350.org/
http://tcktcktck.org/people/i-am-ready
http://www.sealthedeal2009.org/
http://www.maketherule.jp/dr5/node/1061
http://www.maketherule.jp/dr5/cop15/fossil_of_the_day
posted by みどりの未来 at 09:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政策・論評
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